「(英語は大嫌いだけど、)海外の子どもたちと喋ってみたい!」というMamuさんの密かな願いから生まれた今回のプロジェクト。
元々は「海外の子どもたちを貧困の連鎖から救うための教育支援をやりたい」と考えていたが、フィリピンやミャンマーなど海外の方へのヒアリングを進める中で、各国で必要とされる教育の違いに気づいたという。「私は今、日本でしか教育を受けていないし、日本の当たり前が海外に通じるとは思わない」。そう考えたMamuさんは、教育支援プログラムから一転して、「海外の同世代と集まり、テーマを決めてお互いの意見を出し合う」プログラムの実現に舵を切った。
数ヶ月後、日本とインドネシアの中高生が集い、SDGsをテーマに意見交換をする場が計4回開かれた。一番盛り上がったのは、互いの食文化について話した時だったという。日本の中高生は「ねるねるねるね」や「きのこの山」を英語で伝えるのに苦労し、一方インドネシアの中高生たちは、自慢の伝統料理について話す際、材料がインドネシアにしかないものばかりで、彼らもまた英語での説明に苦労した様子だったという。「私はこの活動をむっちゃでかくしたいんですよ。もっと多様な国々から中高生に参加してほしいし、単発でなく定期的に話し合いの場を設けて、国を超えた中高生で案を持ち寄って、何かを実現するってめっちゃ面白そうじゃないですか」と、Mamuさんはイキイキ語った。
「やりたいことをやりたい!出来ないことは出来ない!」と言う。学校とは違う場で。
今回思ったのは「自分って出来ることあるんだな」そして「出来ないこともあるんだな」ということです。「出来ません」っていうことって、結構恥ずかしかったり、難しかったりすると思うんです。だって出来た方が絶対いいに決まってるし。
でも私は、英語が喋れなくて、ほんとに英語が一番嫌いなんですけど、海外の人と喋ってみたかったんですよね。「出来ること」と「やりたいこと」を一緒くたにしちゃいけないと思って。やりたいことを叶えるには、自分一人の力だけで出来ることじゃないから、人にバンバン頼ることもすごく大事やと思う。自分の不得意分野を無理やり得意にしなきゃいけないことはないんだと。まあこれ、学校とかだったら「お前、何言うとん」って言われますよ。「単語テストこけたやんけ」って(笑)。でも、ここに集まってる人たちは私がどれだけ英語出来へんか知らんし、そうやって言われる恐れがないから「やりたい」って素直に言えたのかもしれないです。
最近は、やっぱり英語を喋れるようになりたいと思ってます。もうちょっと上手くコミュニケーションを取りたいと今回痛感したんです。通訳の方が伝えてくれても、自分の言いたいことがそのまま伝わってるか、分からないじゃないですか。英語が話せるのって手段の一つでしかない。いくらでも代わりがきくと思っていて、それを言い訳にこれまで英語を勉強してこなかったんですけど。でも気持ちって手段じゃなく目的だから、持っとかないと出来ないことだと思ってます。
(構成・文:玉城麦野)